中央大学陸上競技部 長距離ブロック - MiCATAの活用事例

MiCATAの活用事例

中央大学
陸上競技部 長距離ブロック

監督 藤原さま インタビュー

藤原 正和さま
中央大学陸上競技部
駅伝監督

世界陸上競技選手権大会男子マラソン過去3回日本代表。
ユニバーシアード北京大会ハーフマラソン優勝。2010年東京マラソン優勝。
初マラソン日本最高記録・マラソン日本学生最高記録保持者。

チームの中での役割・仕事内容は?指導者としてのやりがいは?

選手とともに時間を過ごし、共に考え試行錯誤を重ねた結果、、、現在は中央大学陸上競技部の駅伝監督として、長距離種目の強化を目的に指導にあたっています。また、現場の指導だけでなく、予算管理や年間の強化プランを大学とやりとりしたり、スカウト活動も自身で行っています。お正月に箱根で行われる駅伝はメディアとしても大きなコンテンツですので、広報室と共に対応することもあります。

中央大学陸上競技部の駅伝監督 私自身、選手としてキャリアを積んできましたので、「このアクションを行うと、こういった結果・効果が出る」ということを経験としてわかっているのですが、実際に指導にあたると、自分の経験則だけでは絶対にうまくいきません。私が経験してきた方法で結果が出る学生もいれば、全く効果が出ない学生もいます。学生は一人ひとりが違う個性、強みを持っていますので、自分の経験を個人に合わせて伝えていくことを心掛けています。
選手のポテンシャルを最大限発揮させるアプローチをとりながら、組織として日本一を取りにいく、という部分を最も大切にしているので、選手とともに時間を過ごし、共に考え試行錯誤を重ねた結果、良いパフォーマンスを発揮してくれた時が今一番やりがいを感じるときですね。

監督として母校に帰ってきた時の印象は?

競技者らしいことを行っていない私が指導者として中央大学に戻ったときは、本学がうまく結果が出ていないときでした。戻ってきた時の率直な印象は“競技者らしいことを行っていない”ということと、“選手の顔に自信がない”ということでした。
このままではまずいな...と感じたため、最初は「あえて答えを先に伝える」ということを意図的に行いました。メニュー提示だけでなく、寮での生活規則なども管理するように意識し、「勝つためのスタンダード」を徹底的に植え付けることからスタートしました。

そのような期間を2年間過ごし、選手自身が求められているレベルをある程度理解したと感じたところで、学生自身に考えてもらうように徐々にシフトしていき、現在に至ります。現在は、どんなチームにしたいのか、どのレベルに達したいのかを伝え、そのためにどんな行いを大事にするのかを学生自身で考えてもらうようにしています。
本学の伝統的な良さは、我が強く個性的な人間が多いことと感じていますが、それが良い面としてあらわれることもあれば、悪い面としてあらわれてしまうこともあります。求められるレベルに達するための行動や振る舞い、意識を持たせるところから始めて、少しずつ学生自身の良さを体現できるようなチーム作りを進めているところです。

学生を指導する上で心掛けていることは?

すぐに答えを調べられる世の中でこそ、自分の頭で考える力を考える力を養うということにも注力大学卒業後にトップエリートとして競技を続ける選手は、毎年10人程度卒業する中で2〜3人、多くて5人程度です。大半は大学で競技生活を引退することになりますが、卒業後も一流の社会人として活躍するためにも、「陸上競技を通してどのように彼らの内面的な成長を促すことができるのか」ということが、一つの大きなテーマと考えています。
そのためにも、考える力を養うということにも注力しています。現在では、何でも調べればすぐに答えが見つかる便利な世の中になっていますが、自分自身の思考を深めること・自分の考えを持って実行に移すことを、意識して伝えるようにしています。

指導者になったきっかけは?

自分が通ってきた道・経験を次世代に伝えていきたい13年という時間を実業団選手として過ごさせていただきましたが、30歳を過ぎたあたりから、セカンドキャリアについて考える時間が増えるようになりました。当時のキャリア選択としては、引退後は所属企業で社業に専念する道もありましたが、次第に自分が通ってきた道・経験を次世代に伝えていきたいと思うようになり、指導者の道を考えるようになりました。

中央大学 陸上競技部 長距離ブロック そこからは、色々な競技の指導者が書かれた本を読んで勉強したりと少しずつ準備を始めるようになりました。また、毎日練習日誌をつけてましたので、その内容をブラッシュアップさせて、実際に選手にメニューとして提示するならばどのように行うかといったことを頭の中でシミュレーションするようになりました。このように指導者になる準備を進めていたところ、母校である中央大学から声をかけていただき、引退後に駅伝監督に就くこととなりました。

現役時代に気象情報は気にされていましたか?

事前に確認し、心の準備ができていた現役の時は、実は私は荒れた天気の時のレースに強いタイプのランナーでした。特別な才能があるわけではないと自覚していたため、「粘り強い走り」を意識してきましたし、自分の持ち味だったと思っています。また、「勝負強さ」も自分の特色です。そういった気質もあり、荒天時には強いタイプだったのではないかと思います。

たくさんのレースを走らせていただいたのですが、天気という側面から想い出に残っているレースは、大学2年生の時に走った正月の駅伝です。37年ぶりの往路優勝をターゲットとして、往路に主戦力を投入した中で、私は5区の山登りを担当したのですが、その年の往路は向かい風が物凄く強いレースコンディションでした。思うようにスピードが上がらず、前を走る選手との距離をなかなか詰められない苦しい展開となりましたが、そのような展開になると事前に想定して準備していたこともあり、ラスト2kmでなんとか逆転し、優勝することができました。私自身の特色である「粘り強さ」と「勝負強さ」をしっかりと発揮できたレースでしたが、事前に気象コンディションを確認し、心の準備ができていたことがとても大きかったと思います。

指導者になってから、気象情報についての印象は変わりましたか?

選手を丸腰のまま送り出してしまうことのないように現役時代は、前日や当日に確認する程度だったのですが、指導者になってからは気象情報にかなり気を配るようになりました。
それは、私が現役だったら気にならないくらいの気象条件に対して、選手が様々な反応をしたことがきっかけです。
雨が降ると途端に調子を崩してしまう選手がいたり、風が強いとナーバスになってしまう選手、寒い日だと体内の循環器の調子が上がらずに走れなくなってしまう選手や、暑い日は自分で心のスイッチをOFFにしてしまう選手など、本当にいろいろな選手がいたので、正直びっくりしました。

中央大学 陸上競技部 長距離ブロック現在は毎日気象情報を確認し、選手の体質や気質に合わせて、今日の練習で何を達成したいか、そのためにどんな準備を行った方がいいかをアドバイスするようにしています。
「こういう気象条件の中でもレースはあるからね」と伝えるだけでは、結局選手を丸腰のまま送り出してしまうことにつながるため、練習段階から気象条件を加味して自分に必要な準備を理解してもらうことが大切だと考えています。

お正月の駅伝では、5区と6区の山の区間が、気象条件を加味して準備をする象徴的な区間です。5区は、気温が高いところから低いところに登っていくレースになるため、山頂の気温が低い場合は、体温の低下を防ぐホットクリームを体に塗ってスタートするなどの準備を行います。6区は終始気温が低い中でのレースになるので、ユニフォームのお腹と背中の部分に真綿を縫い付けるなどの工夫を行い、身体の中心部の温度低下によるコンディションの悪化を防ぐようにしています。逆に、夏場のレースでは少しでも通気性を良くするために、ゼッケンの余白に穴を開けて風通しを良くするなど、かなり細かい工夫をすることもあります。

MiCATAの導入後、どんなことが変わりましたか?一番のエピソードは?

毎日の練習でも非常に有効に使えるサービス元々はスマートフォンの天気サイトなどで天気を確認していましたが、MiCATAをご紹介いただいて使ってみたところ、「こんな詳細な情報まで確認できるんだ!」と、衝撃を受けました。
レースの時はもちろん、毎日の練習でも非常に有効に使えるサービスだと感じています。
自分が知りたいピンポイントの気象情報を詳細まで確認できるため、やりたい練習の目的にマッチした気象条件下を選んで練習ができるようになり、時間帯等を調整できるようになったことが一番大きな点です。「今日は風が強い条件下でこのメニューを行いたい」「今日の練習では純粋にタイムを追わせたいから、天気が安定している時間帯で行いたい」といったニーズに対して、MiCATAを使うことで練習時間を調整できるようになりました。

お正月の駅伝では、交差点を一つ曲がる度に風の感じ方も変わりますもちろん、実際のレースでもMiCATAは欠かせないツールです。特にお正月の駅伝では、交差点を一つ曲がる度に風の感じ方も変わりますし、日差しの強さによっても選手の体感は大きく変わります。例年の傾向を加味しつつ、当日の詳細な情報をコースに合わせて確認できることはとても大きな強みです。
駅伝で勝つためには、選手登録や事前の区間配置に戦略性を持たせることは大いにあるため、勝負所のレースには欠かせない「武器」だと感じています。
また、これまで、コンディション管理などの面でデジタルのツールを導入しようと試みたことがあるのですが、どうしても利用が定着しなかったり、使い勝手の面でうまくいかない部分があったため、導入を見送ることが何度かありました。その点、MiCATAに関しては使ってみて「ここが使いづらい」「こんな機能があると便利」という要望があった際に、スピード感を持って工夫をして改善されているので、そういった点も気に入っています。

今後のチームの目標を教えてください。

もう一度、白地に赤色の「C」のユニフォームが躍動する姿を白地に赤色の「C」のユニフォーム駅伝監督という役職についてから今年(2020年度)で5年目となり、現在の4年生世代が自分で勧誘した最初の学年になります。1年生から4年生まで全部員が、私が勧誘した選手で揃ったという意味では、初めて自分の教えたい想いを体現したチームになると感じていますし、私自身も勝負の年になると感じています。
是非、「新生中央大学」という目で見ていただき、期待していただきたいと考えています。

戦力的には、1年生にエースとなる選手が加入して注目を集めていますが、それだけでなく各学年に核となる選手が揃っていることや、何よりも4年生が団結して充実してくれているため、暴れてくれるのではないかという手応えを持っています。
白地に赤色の「C」のユニフォームが躍動するところを皆様に応援していただければ有難いですね。

天気は味方にする
言い訳にしない

運営会社

株式会社ウェザーニューズ
株式会社ウェザーニューズ
スポーツ気象チーム

ウェザーニューズは2015年から、天気を味方につけ、スポーツの戦術/戦略に気象情報を活用する「スポーツ気象」に取り組んできました。

選手・チーム支援実績

2015年にラグビー日本代表チームをサポートしたことからはじまり、トライアスロン、セーリング、ホッケー、野球、サッカー、マラソン、ゴルフ、自転車、テニスなどサポートする競技、チームが広がっています。

大会運営支援実績

1983年に野球場からはじまり、プロ野球、Jリーグ、トップリーグ、熱気球、エアレース、ヨットレースなど様々な大会の運営をサポートしています。

スポーツ気象Labo

ウェザーニューズが、代表チームやプロチームと取り組んできた「最良の準備をするための気象情報の活用」「試合に勝つための気象情報の活用」や、熱中症の発生リスクを軽減させる暑熱対策の秘訣など、スポーツをする方にとって役立つ情報を公開しています。

MiCATA 大会運営支援版

ウェザーニューズは、これまで多数の国内/国際的スポーツ大会において、大会が安全に運営できるよう気象の側面からサポートを行ってきました。そのノウハウを最大限に利用することができるスポーツの大会運営に特化した気象情報サービスです。

PAGE
TOP